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MRIノート-画質に関するお問い合わせ(日本語)

MRIノート-画質に関するお問い合わせ(日本語)

画質に関するお問い合わせに関するノートです。

SIEMENS Healthineers 磁気共鳴診断装置 MAGNETOM Family MRI ノート- 画質に関するお問い合わせ [ 対象装置 ] MAGNETOM Family [ バージョン ] 全バージョン このマニュアルには一般的な操作手順を記載しています。装置をご使用になる際の参考資料としてお使いください。 詳細は、装置付属のマニュアルをご確認ください。 PEPconnect ドイツ本社が提供する医療従事者のためのオンライン教育プラットフォームです。どなたでも無料で 学習コンテンツなどをご利用いただくことができ、院内でのスタッフ教育などにもご活用いただけます。 下記 URLまたは QRコードより各モダリティの PEPconnect 学習コンテンツをまとめた便利な QR コード集 にアクセスいただけます。 https://pep.siemens-info.com/ja-jp/pepconnect teamplay Fleet システムを総合的に管理するウェブベースのサービス専用ポータルサイトです。 ご施設で稼働している Siemens Healthineers 装置のパフォーマンスやさまざまなサービス情報に、 24 時間 365 日、場所を選ばずにアクセスできます。 fleet.siemens-healthineers.com/ Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 1 Unrestricted 目次 1 はじめに 3 2 画質に関するお問い合わせ 頭部編 4 2.1 動いていないのに頭部画像で辺縁にアーチファクトが発生します 4 2.2 MRA で内頚動脈の湾曲部が信号低下をして偽病変に見えます 7 2.3 頭部 T1 強調画像でスライス毎に信号強度が変わってしまいます 9 2.4 頭部 FLAIR を時間短縮のため Concat.1にしてもいいですか? 12 3 画質に関するお問い合わせ 腹部編 14 3.1 腹部 HASTE 法のボケを低減させる方法はありますか? 14 3.2 EOB の検査で動脈相で呼吸ズレのようなアーチファクトが出てしまいます 16 4 画質に関するお問い合わせ その他 17 4.1 Parallel Imaging によるアーチファクトを教えてください 17 4.2 位相方向、スライス方向、BLADE の折り返しアーチファクトを 教え てください 22 4.2.1 位相方向の折り返しアーチファクト 22 4.2.1 スライス方向の折り返しアーチファクト 24 4.2.2 BLADE の折り返しアーチファクト 25 5 変更履歴と問い合わせ先 27 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 2 Unrestricted 1 はじめに 皆様からカスタマーケアセンターへお問い合わせいただいた内容の中から、特にご 質問の多い項目をご紹介します。皆様のお役に立ちますと幸いです。 なお、本稿内に示す画像例は対象者に掲載をご承諾いただいた画像を使用していま す。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 3 Unrestricted 2 画質に関するお問い合わせ 頭部編 2.1 動いていないのに頭部画像で辺縁にアーチファクトが発生します Fig. 1 アーチファクト画像 一見動きの影響によるアーチファクトのようにも見えますが、トランケーション アーチファクトの可能性があります。このアーチファクトは MR 信号を無限に sampling できないため、データ収集を途中で打ち切ることにより発生します。 トランケーションアーチファクトは特に信号が極端に変化した部位で撮像 matrix 数が少ない場合において顕著になります。Fig.2 で各 matrix と k-space の関係を示し ます。ここから Matrix 数が少なくなる程エコー信号の中心付近のみデータ収集し ていることがわかります。 データ収集をエコーの中心付近で打ち切ってしまう事により、k-space の高周波 領域のエコーの振幅が大きくなってしまい、Matrix 数が少なくなる程トランケーシ ョンアーチファクトが目立ちます。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 4 Unrestricted k-space image 128 O 128 256 256 512 512 Fig. 2 データ収集の打ち切り 信号強度が極端に変わるような場合、k-space の高周波成分が必要になるため matrix 数が少ない場合にトランケーションアーチファクトは発生してしまいます。 Fig. 3 高周波成分と信号の変化 対応策としては matrix 数を増やすという事が上げられますが、撮像時間の延長や SNR の低下等のデメリットが生じます。その他の対策方法として Raw data Filter を 使用する事が挙げられます。これは k-space に重み付けを行い k-space 上の端のジャ ンプした部分をなくします。これによりトランケーションアーチファクトを改善で きますが、高周波成分のデータを削るため、空間分解能は若干低下してしまいま す。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 5 Unrestricted 192 × 192 256 × 25 Raw data Filter Fig. 4 トランケーションにおける matrix 数と Raw data Filter の関係 Raw data Filter は Resolution カードの Filter カードで設定可能です。Raw data Filter では時間の延長なくトランケーションアーチファクトを改善することができます。 @ 3:37 min Auto @ None 0.4x0.4x5.0 mm3 1.00 Routine Contrast Resolution Geometry System Physio Inline Sequence Common Acceleration Filter Raw Filter V Normalize Image ... Elliptical Filter Image Filter Distortion Correction 2D Fig. 5 Raw data Filter の設定 動きによるアーチファクトとトランケーションアーチファクトが判別困難な場 合、両者の切り分け方法として matrix 数を増やしたものや Raw data Filter の on と off を比較する事が有効です。トランケーションアーチファクトであれば matrix 数 の増加や Raw data Filter の on によりアーチファクトは消失し、動き続けているよう な場合であればアーチファクトは出現したままになります。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 6 Unrestricted 2.2 MRA で内頚動脈の湾曲部が信号低下をして偽病変に見えます RPF MF 1.68 5cm Fig. 6 内頚動脈の信号欠損 これは乱流の影響が考えられます。乱流は特に血管の湾曲部や狭窄部の遠位、分 岐部等で認められます。血流の無秩序な動きにより、Fig.7 のようにボクセル内の位 相分散や、同じ方向を向いていても流れる速さが違うことにより信号が低下してし まいます。 Fig. 7 流れによるボクセル内のランダムなスピン また、横に走行している血管や下に下がっているような血管では inflow 効果が弱 くなることによって血管の信号が低下してしまいます。さらにそれらの血管がスラ ブの境目に掛かっている場合、最初のスラブにて受けた励起パルスの影響が残った まま次のスラブの励起パルスを受けるため、血管信号はさらに飽和してしまい信号 低下をします。予め血管の走行や位置を確認するために、Vessel scout を撮像する ことをお勧めします。Vessel scout は Vessel scout は SIEMENS>angiography>Head> ToF-3D-multislab>vessels-head を使用します。(※ XA バージョンでは、SIEMENS> head>angiography>Vessel Scout>vessel_scout_neck を使用します。) LEslab TELslab Fig. 8 slab の境目 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 7 Unrestricted 乱流やスラブ間の励起による影響を極力排除するために通常の MRA から条件を 変更して追加撮像することをお勧めします。乱流の影響を抑えるためには TE を下 げる、Band Width を上げる、空間分解能(Matrix 数)を上げる等があります。下記 に示したパラメータは Band Width を高く設定し、通常 MRA で使用している Flow Comp.を off とし、最も短い TE を設定する事で位相が乱れる前にデータ収集を行い 乱流の影響を抑えています。また、1slab で信号低下領域のみ撮像することでスラ ブ間による励起の影響を排除することができます。1slab で撮像することによりプ ロトコル追加による撮像時間の延長も最小限とします。 ※ TE を短くすることにより脂肪の信号が目立つ場合があります。 Parameter Slab 1 FOV Read 220mm Orientation Transversal FOV Phase 95% Routine Phase enc.dir. R>>L Slice thickness 0.75mm Phase Oversampling 25% TR 20ms Slice per slab 52 TE 2.45ms(最短) Contrast Flip Angle 20° Base resolution 320 Pat mode Grappa Phase resolution 80% Accel.factor PE 2 Resolution Slice resolution 66% Ref. line PE 40 Phase partial fourier off Slice partial fourier off Geometry Special sat. Tracking H Angio Tone 70% 3D centric reordering on Band Width 260Hz/P 程度 Flow comp. No Sequence Gradient mode Fast Table1. TOF 条件例 Fig. 9 1slab による MRA の撮像 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 8 Unrestricted 2.3 頭部 T1 強調画像でスライス毎に信号強度が変わってしまいます Slice No.7 Slice No.8 Slice No.9 Slice No.10 Fig. 10 頭部 T1WI(T1 Weighted Image:T1 強調画像)の Slice No.7~10 の信号変化 この項では考えられる 2 つの理由について説明します。まずはクロストークによ る影響について説明します。クロストークとは隣接したスライスどうしの RF パル スが重複してしまう事です。これは、RF パルスは完全な矩形ではなくサイドロー ブを伴っているためにおこります。撮像をした際に得られた MR 信号の裾が左右に 無制限に延びていればフーリエ変換後は完全な矩形となりますが、実際の RF パル スの印加時間は有限であるため、矩形にならず Fig.11 のようにサイドローブを伴っ てしまいます。したがって、隣接する複数スライス撮像で Fig.12 のようにスライス 間の Gap が小さい場合はそれぞれのスライスの RF パルスが重なってしまい、クロ ストークが発生し、SNR が低下してしまいます。 FFT f Fig. 11 実際の RF 帯域 Fig. 12 クロストークの原理 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 9 Unrestricted 通常の撮像ではクロストークの影響を少なくするために、奇数番目を励起した後 に偶数番目を励起する interleave という励起法にて撮像しています。それにより励 起されるスライス間のギャップが大きくなりクロストークの影響を小さくすること ができます(Fig.13)。しかし、奇数番目のスライスを励起した後、偶数番目のス ライスを励起するまでに信号が回復する時間が十分にない場合、後半励起されたス ライス(偶数番)では前半と比較してよりクロストークの影響を受けるため信号が 低下し、interleave で撮像すると奇数番目と偶数番目で交互に信号強度の異なった 画像が出ます。励起順序を Ascending(マイナス側から順に励起:※1)もしくは Descending(プラス側から順に励起:※1)に変更し、連続して励起する事でスラ イス毎に交互に信号強度が変わる事を回避できます。しかし、実際には interleave 時よりも励起されるスライス間のギャップは小さくなるため、各スライスでのクロ ストークの影響はより多く受けることになり、信号強度は interleave と比較して低 下します。 ※1 tra:足側(-) sag:前側(-) cor:右側(-) Slice 1 Slice 1 Slice 2 Slice 2 Slice 3 Slice 3 Slice 4 Slice 4 Slice 5 Slice 5 Interleave 時 Ascending 時 Fig. 13 励起順の違い 励起順序の設定は Geometry カードの Common の中の Series にて変更します。 @ 3:37 min Auto @ None 0.4x0.4x5.0 mm3 1.00 Routine Contrast Resolution Geometry System Physi Inline Sequence Common AutoAlign Navigator Saturation Tim Planning Suite Slice Group 1 FoV Read 230 - mm Slices 25 FoV Phase 90.6 % Slice Thickness 5.0 - mm Distance Factor 30 + % TR 5000.0 ¢ m Position Isocenter Multi-Slice Mode Interleaved Orientation Transversal ... Series Interleaved Phase Encoding Dir. R>> L Concatenations Phase Oversampling % Fig. 14 励起順序の設定 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 10 Unrestricted Concatenations を 2 に設定してもコントラストがスライス毎に変化する場合に は、Fig.15 のようにスライスの奇数番目と偶数番目を 2 回に分けて撮像するため、 設定スライス枚数が奇数の場合 1 回目の撮像枚数と 2 回目の撮像枚数が異なり、各 撮像毎で MT 効果が変わり信号強度が変わることが考えられます。この場合、撮像 枚数を偶数にする等により回避することができます。 concatenation1 concatenation2 T slice1 slice3 slice5 slice1 slice3 slice5 slice2 slice4 slice2 slice4 : 1 n n n 1 n n Fig. 15 Concatenations による励起スライスの違い(5 スライス設定時) Concatenations は Routine カード内の Concatenations で変更します。 @ 3:37 min Auto @ None @ 0.4x0.4x5.0 mm3 ֏ 1.00 Routine Contrast Resolution Geometry System Physio Inline Sequence Slice Group FoV Read 230 ¢ mm Slices 25 FoV Phase 90.6 + % Slice Thickness 5.0 ¢ mm Distance Factor 30 % TR 5000.0 ~ ms Position Isocenter TE 89.00 ms Orientation Transversal Averages 2 4 Phase Encoding Dir. R>> L ... Concatenations 1 + Phase Oversampling % AutoAlign Coil Elements BC Fig. 16 Concatenations の設定 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 11 Unrestricted 2.4 頭部 FLAIR を時間短縮のため Concat.1にしてもいいですか? Fig. 17 FLAIR の CSF の消え残り Concatenations(左1、右2) 頭部 FLAIR では Concatenations を 2 回以上として撮像する必要があります。Fig.18 のように FLAIR の IR pulse はスライス面外から流入してくる CSF のインフローを抑 えるため、設定スライス厚の 2 倍の領域にかけられています。この時、 Concatenations を 1 とした場合、隣接したスライスの IR Pulse によるクロストーク の影響で CSF の信号が残ってしまう場合があります。Concatenations 2 で interleave とすることにより隣のスライスの IR pulse によるクロストークの影響を無くし、良 好な CSF を抑制した画像を得ることができます。 Concatnation2016 1TRE Slice 1 Slice 3 2TRE Slice 2 Slice 4 Slice Thick IR Pulse Fig. 18 FLAIR での励起方法 FLAIR にて撮像時間を短縮する場合、Average の数を減らす、Parallel Imaging を使 用する、Turbo Factor を上げる、位相エンコード数を減らす等の方法があります。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 12 Unrestricted Average の数、Parallel Imaging の使用は SNR が低下してしまうので、撮像時間と画 質の調整が必要です。また、Turbo Factor を上げすぎると CSF の消え残りが発生す る場合があるためボランティアにてパラメータを確認した後に使用することをお勧 めします。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 13 Unrestricted 3 画質に関するお問い合わせ 腹部編 3.1 腹部 HASTE 法のボケを低減させる方法はありますか? HASTE 法は 1 度の励起パルス(1TR)にてスライス 1 枚に必要なデータを全て取 得する single shot と呼ばれる方法にてデータを収集しています。これにより、画像 1 枚のデータを取得する時間が非常に速く動きに強いという特徴を持っています。 しかし、データ収集の間に T2 緩和による信号減少がおき、最後の方に収集される k-space の外側のデータは信号が弱くなります。k-space の外側の高周波は分解能に 寄与するため信号が弱くなることによりボケた画像になってしまいます。 TR 90" 180" 180" 180º 180º 180" 180" 180º 180º 180º ...... 90º RF Pulse - ADC Echo TR Echo 3 Echo 2 Echo 1 Half-fourier K-space Fig. 19 HASTE 法の原理 これを改善する方法としてはエコーとエコーの間隔の時間を示す Echo space を短 くする事によってデータ収集に掛かる時間を短くするという方法があります。Echo space は直接変更する事はできず、Band Width や Gradient mode、RF Pulse Type 等に よって変更する事ができます。Band Width を大きくする事による SNR の低下や RF Pulse Type の変更により SAR の制限を受けやすくなる場合があります。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 14 Unrestricted Echo Space T270 t long Echo space short Echo space Fig. 20 Echo Space と T2 減衰 Parallel Imaging が使用可能な場合は、Parallel Imaging を設定することによりエコ ーの収集数を減らせるため、データ収集時間を短くする事が可能です。これにより T2 減衰による高周波成分の信号低下を少なくすることができ、画像ボケを低減す る事ができます。デメリットとして Parallel Imaging を使用する事により SNR が低下 してしまいます。 Parallel imaging T200 with out Parallel imaging with Parallel imaging Fig. 21 Parallel Imaging と T2 減衰 Fig. 22 Parallel Imaging on(左)/off(右)の比較 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 15 Unrestricted 3.2 EOB の検査で動脈相で呼吸ズレのようなアーチファクトが出てし まいます Fig. 23 VIBE による EOB プリモビスト Dynamic 撮像 EOB プリモビストの撮像の際にボーラス注入すると Dynamic における動脈相で息 がしっかり止まっているにも関わらず息止め不良のような画像が出る場合がありま す(Fig.23)。これはリンギングアーチファクトの可能性があります。 リンギングアーチファクトの原因は、撮像中に造影剤の急激な流入によって k- space 内の信号強度が大きく変化する事であるといわれています。したがって撮像 タイミングを造影ピークにあわせるとリンギングアーチファクトが発生する可能性 が高くなります。リンギングアーチファクトは、造影剤の注入レートを下げ k- space の急激な信号変化が緩和される事により抑制されます。 SI time Fig. 24 注入レートと信号変化の関係 その他に考えられる理由としてタイミングの確認を CARE Bolus にて行っている場合 には、息止めの合図が聞こえにくく、息が止まっていない場合があります。ヘッド ホンのご使用と音量の確認をお願いします。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 16 Unrestricted 4 画質に関するお問い合わせ その他 4.1 Parallel Imaging によるアーチファクトを教えてください Parallel Imaging とは各コイルの感度分布を利用して撮像を高速化する方法です。 Parallel Imaging では位相エンコードステップを間引く事で撮像時間を短縮していま す。これは FOV Phase を絞るのと同じ原理です。 -K# 1/2 .............................................. Full k-space M3IL /ck-space Fig. 25 Parallel Imaging での k-space Parallel Imaging は Resolution カード内の iPAT の PAT mode で設定します。PAT mode では GRAPPA と mSENSE を設定する事ができます。尚、一部装置では mSENSE は選択できません。 @ 1:58 min & Auto @ @0.4x0.4x4.0 mm3 0.71 Routine Contrast Resolution Geometry System Physio Inline Sequence Common Acceleration Filter Acceleration mode GRAPPA Phase Partial Fourier Off Reference Scans Integrated Asymmetric Echo Acceleration Factor PE 2 4 Reference Lines PE 24 Fig. 26 Parallel Imaging の設定 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 17 Unrestricted GRAPPA は、それぞれのコイルから得られたローデータをコイルの感度分布 プロファイル(コイル 1 と 2 での感度分布の違い)から完全なローデータを作 成して再構成する事で画像を得ています。 k-space & [51L\74x ................................................ Coil 1 ...................................... PAT DE ......................................... .......................................... ................................................. SMASH FFT ............................................ ......................................... Coil 2 ............................................ ......................................... ................................... ........................................ ....................................................... Fig. 27 GRAPPA の原理 また、GRAPPA では位相方向に直線状にコイルが並んでいる場合(Fig.28 左) や、オブリーク撮像(Fig.28 右)にも対応可能なため、mSENSE よりも臨床応用 が容易となります。 S pe pe Fig. 28 GRAPPA でのコイルの位置と位相方向の関係 mSENSE は、間引いて取得したローデータから折り返しアーチファクトのあ る画像を作成し、コイルの感度分布プロファイルから折り返しを展開して完全 な画像を得ています。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 18 Unrestricted k-space & [51L\C4x .. ............................................... Coil 1 FFT PATER ............................................................ ............................................ .......................................... .... SENSE ........................................ ......... ... ... .............................. ..... ...................................... Coil 2 ....................................... FFT .................................................... .................................................. ............................ ... ... .... .. Fig. 29 mSENSE の原理 mSENSE では位相方向に対してコイルを垂直に配置している必要があるため (Fig.30)、GRAPPA と比べて制約が多く再構成時の展開不良によるアーチファ クトも GRAPPA と比較して多いといえます。 pe Fig. 30 GRAPPA でのコイルの位置と位相方向の関係 Parallel Imaging を使用した場合、適切なコイルや撮像パラメータ(位相方向 や FOV 等)に設定されていないと、再構成の際の計算精度が低下し Fig.33 右画 像のようなアーチファクトが発生します。Parallel Imaging では、感度分布プロ ファイルに使用するデータであるリファレンスライン(Fig.32)をスキャンの際 に取得していますが、そのデータ数を増やす事で再構成時の計算精度を高める 事ができ、アーチファクトを軽減できます(Fig.33 左)。リファレンスライン の本数を増やす事によりアーチファクトのより少ない画像を得られますが、収 集データ数が増える事により撮像時間が延長します。リファレンスラインは、 Resolution カード内の iPAT の Ref. lines PE で調節します。 尚、TSE シーケンスで はリファレンスラインは条件によって最適化されます。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 19 Unrestricted @ 1:58 min 4 Auto@ 2 @ 0.4x0.4x4.0 mm3 0.71 Routine Contrast Resolution Geometry System Physio Inline Sequence Common Acceleration Filter Acceleration mode GRAPPA Phase Partial Fourier Off Reference Scans Integrated Asymmetric Echo Off Acceleration Factor PE 2 Reference Lines PE 24 Fig. 31 リファレンスラインの設定 PAT2 Readout ........................................ Reference Line Phase .......................................................................... ......................................................................... K-space< Fig. 32 リファレンスラインについて O Ref. line 32 Ref. line 56 Fig. 33 リファレンスラインのデータ数とアーチファクト Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 20 Unrestricted FOV を大きく設定する事でアーチファクトを改善する事ができます。リファ レンスラインと FOV の組み合わせにより、アーチファクトの抑制を高める事が できます。 Fig. 34 FOV を大きく設定した場合 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 21 Unrestricted 4.2 位相方向、スライス方向、BLADE の折り返しアーチファクトを 教えてください 4.2.1 位相方向の折り返しアーチファクト Fig. 35 2D 撮像での腕の折り返しアーチファクト 2D 撮像での位相方向への折り返しアーチファクトの原理を説明します。通常、 2D 撮像の場合折り返しアーチファクトは位相方向に出現します。Fig.36 では位相エ ンコード方向の FOV の端から端までを 360°に割り当てられています。この時、位 相が 240°や-240°の場合、FOV の外である 240°は-120°と、-240°は 120°と同じ 位相角とみなされ区別ができません。それにより、FOV の外にある信号が低周波、 もしくは高周波側に誤認され FOV 内に折り返しアーチファクトとして現れます。 FOV O 240 -120 120 240 - Max TMax -180 180 Fig. 36 折り返しアーチファクトの原理 折り返しアーチファクトの原因のひとつとして、余分なコイルが設定されて いる場合、そこからの信号により折り返しアーチファクトが発生する事があり Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 22 Unrestricted ます。撮像時には必要なコイルのみを選択する事が必要です。折り返しアーチ ファクトの予防方法としては、 ①Oversampling を設定する ②FOV を広げて関心領域内に折り返しの領域を含めてしまう方法 ③プリサチュレーションを折り返し領域に設定する事により抑制する方法 等があります。しかし、②では分解能が低下してしまい、③では脂肪等の T1 回 復が速いものは信号が回復してしまい完全に折り返しを抑制できない場合があ ります。そこで分解能の低下なく折り返しを抑制する方法として、①Phase oversampling の設定があります(Fig.37)。Phase oversampling を任意に設定し て、位相エンコード数を増やす事により折り返しを防ぐ事ができます。Phase oversampling を増やすと位相エンコード数が増えるため撮像時間が延長します が SNR は上昇します。撮像の際に Fig.38 のように破線が折り返しの領域を含む ように Phase oversampling を設定します。Routine カードの中の Phase oversampling にて調整します。 1:00 min Auto @ 1.5x1.5x6.0 mm3 1.00 Routine Contrast Resolution Geometry System Physio Inline Sequence Slice Group FoV Read 380 - mm Slices 30 FoV Phase 84.4 4 % Slice Thickness 6.0 - mm Distance Factor 20 % TR 171.0 ¢ ms Position Isocenter TE 4.76 - ms Orientation Transversal Averages 1 + Phase Encoding Dir. A>> P Concatenations 2 Phase Oversampling 0 4 % AutoAlign --- Coil Elements BC Fig. 37 Phase oversampling の設定 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 23 Unrestricted oversampling fil tot Fig. 38 Phase oversampling の設定 2 4.2.1 スライス方向の折り返しアーチファクト 3D 撮像の場合、スライス方向にも位相エンコーディングを行っているため位相 方向ならびにスライス方向からも折り返しアーチファクトが発生します (Fig.39)。スライス方向のエンコード数の設定は Slice oversampling にて可能で す(Fig.40)、Phase oversampling 同様、スライス方向のエンコード数が増える ため、撮像時間が延長してしまいます。 Fig. 39 膵臓レベルでの乳房の折り返しアーチファクト 19 sec | Auto @ 4 1.2x1.2x3.0 mm3 1.00 Routine Contrast Resolution Geometry System Physio Inline Sequence Slab Group FoV Read 380 - mm Slabs 1 FoV Phase 81.3 ¢ % Slices per Slab 72- Slice Thickness 3.0 4 mm Distance Factor 20 9 TR 6.8 ms Position Isocenter TE 1 2.39 - ms Orientation Transversal Averages 1 + Phase Encoding Dir. A>> P Concatenations Phase Oversampling 30 % AutoAlign - Slice Oversampling 33.3 ¢ % Coil Elements BC Fig. 40 Slice oversampling の設定 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 24 Unrestricted 4.2.2 BLADE の折り返しアーチファクト 体動補正用アプリケーションである BLADE(オプション機能)の場合は Fig.41 左の ように位相が 360°回転しています。したがって BLADE 法の場合、折り返しアーチ ファクトも 360°方向から発生しストリーク状になります(Fig.42 参照)。BLADE 法 では 360°方向から折り返しアーチファクトがあるため、余計なコイルを選択しな いという事が非常に重要です。Phase oversampling が設定可能となっており、Fig.41 右の緑の領域が実際の Phase oversampling の領域を示し、円状に範囲が及んでいま す。 k-space NE2 BLADE k-space+ 0 #30 NE1 HINDINORM Fig. 41 BLADE 法の原理と oversampling の領域 Fig. 42 BLADE 法の折り返しアーチファクト Phase oversampling では撮像時間が延長するため、プリサチュレーションによ り折り返しアーチファクトを抑制する方法があります。その際、プリサチュレ ーションと FOV の間にわずかな隙間があるとそこからの信号が折り返ってしま うため隙間なく設定する事が重要です。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 25 Unrestricted R Fig. 43 Pre Sat.による折り返し抑制と画像 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 26 Unrestricted 5 変更履歴と問い合わせ先 日付 変更内容 2021/11/11 第一版 作成 2023/02/10 タイトル変更 ご使用法にご不明な点などございましたら、弊社アプリケーションスタッフまでお 問い合わせ下さいますよう、お願い申し上げます。 フリーコール:0120-041-387 メールアドレス:mr-appli.jp.func@siemens-healthineers.com この文書の内容を無断で複写及び転載することを禁じます。 シーメンスヘルスケア株式会社 ※「QR コード」は、株式会社デンソーウェーブの商標または登録商標です。 Copyright © Siemens Healthcare K.K. Siemens Healthcare K.K. All rights reserved Customer Service Div., Application Dept. 文書番号 : CS-APP-MR_220002 Page 27 Unrestricted

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